佐賀大学 ティーチング・ポートフォリオ

氏名
奥村 浩

教育の責任

私の所属している佐賀大学理工学部理工学科情報分野(教員組織は情報部門)は、「情報」とともに「数学」の教育に重きを置いている。これは、教員免許として数学(中学、高校)および情報(高校)を取得できるようなカリキュラム構成になっていることからも明白である。その一方で、情報分野は「学問」としてだけではなく実社会においての応用範囲が広いことから、実際に役立つ「実学」的な要素が強いと考えられる。
私自身の出身学科が、情報系、数学系のどちらでもなく、心理学を含む経営工学、システム科学、計測制御を柱とする学科であったことから、本学科採用時に私に課せられた指命は、「数学」「情報」およびそれらを基礎として立っている応用科目への寄与であることに加え、理論としての学問より、実学的な教育であろうと考えている。このことは、下記の担当科目を一目すれば明らかである。

《主担当科目》
計算機アーキテクチャ、組み込みシステム実験、サブフィールドPBL(以上、学部2年次必修科目)、科学英語、画像情報処理、率表研究準備科目(以上、学部3年次必修科目)、卒業研究(以上、学部4年次必修科目)、創成科学PBL特論(データサイエンス)、実世界センシング特論、実世界モデリング特論(以上、大学院博士前期課程選択科目、隔年開講)、博士後期課程科目

教育の理念

私にとって、教育とは、「知の探求の道標」となることである。
「道標」は、旅人に対して現在の位置と同時に次なる目標(道標)を探す助けとなる役目を担う。「道標」が指す方角や、記載されている目的地があいまいであったり、間違っていたりすれば、旅人は路頭に迷ってしまうであろう。私は、学生にとって学問や研究の世界での「よき道標」でありたいと考えている。
学部レベルの学生には、この「道標」を頼りに自らの足で歩みを進めていくことを、博士前期課程の学生には、私とともに「新たな道標」を設置することを、そして、博士後期課程の学生には、自らの力で率先して「新たな道標」を設置する姿勢を要求したいと考えている。
また、前述の「教育の責任」にもあったように、私に課せられた指命を果たすために、担当科目の中で、理論面だけではなく、実際にものづくりをする機会を可能な限り提供したいと考えている。

教育の方法

当該分野に興味を持たせるために、基礎知識はできるだけていねいに伝えるとともに、その授業の向かう先である応用例や情報技術者として持たなければならない倫理観などをできるだけ具体的に示すようにしている。(エビデンス(1)、(4)、(6))
また、できるだけ実物を見せたり触れさせる機会を作るようにしている。(エビデンス(3)、(5))
さらに、知識だけではなく「実際に役立つ」ことや「授業内容が効果的」であることを実感してもらうために、授業の中で可能な限り作品やシステムを製作する機会を作っている。(エビデンス(7))

今後の目標

● 対面授業だけではなく、e-LearningやBlended Learningといったさまざまなツールや授業形態の長所を活かした、Ubiquitousかつ双方向の質の高い教育を提供する。
● 座学授業で得られる知識と、実機実装による体験を上手にミックスできるような授業設計を行う。
● 近い将来を見据え、AR/VR/MR/XR技術を利用した高度な体験型授業の設計に取り組む。

エビデンス

(1) 自作システムの実例
(2) 成績原本
(3) 科目シラバス
(4) 学生からの授業評価アンケート
(5) 教科書、配付資料等
(6) 採点済みの答案、レポート等
(7) 学生が当該科目の中で製作した作品

【目標】
(A) これまでの実学主義は堅持しつつ、さまざまな状況の変化に柔軟に対応した教育を実践する。
(B) リメディアル教育や授業時間外の学習支援(e-Learning教材整備など)にこれまで以上に注力したい。

参考資料

参考URL

標準版TP

シラバス

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