佐賀大学 ティーチング・ポートフォリオ

氏名
穂屋下 茂

教育の責任

 特別の課程「デジタル表現技術者養成プログラム(必修16単位+選択8単位、全学部の学生対象)」の責任者。
 主な担当科目:「デジタル表現Ⅰ」等(デジタル表現技術者養成プログラム)、「わかりやすい機構学」、「プロデューサ原論」、「教育デジタル表現」(教養教育運営機構)、「プログラミング演習Ⅰ」、「福祉メカトロニクスⅡ」(文化教育学部)。
 2001年から佐賀大学版eラーニングシステムを構築。文部科学省のGP(Good Practice)を多数獲得。例えば、現代的教育ニーズ取り組み支援プログラム「ネット授業の展開 」や質の高い大学教育推進プログラム「創造的人材育成~誰でもクリエーター~」など。2012年度から、8大学間教育連携共通教育推進事業「学士力養成のための共通基盤システムを活用した主体的学びの促進」の佐賀大学の責任者。現在、全学教育機構の教授。日本リメディアル教育学会の理事(会長)。2012年には、学会監修として『大学における学習支援への挑戦(リメディアル教育の現状と課題)』を出版。

教育の理念

 自分の将来を考え自主的に行動できる学生を育てたい。最近入学してくる学生は、小・中・高校で身につけているはずの基礎学力が低く、日本語力やコミュニケーション力などの人間力も乏しい。授業中に質問すると、誰かが答えるまで微動だにしない学生も多い。このような学生を、自分の将来を見据えながら主体的に学修し、自分の道を切り開いていけるような学生にして輩出したい。また、大学教育は教員だけでなく職員も大いに関わるべき(教職協働)であり、関わった事柄を定期的にまとめ、教育関係の学会や講演会等に出席し、発表・公開し、諮問等を参考に自分の仕事(教育)を振り返ることが重要であると考えている。

教育の方法

 学生を主体的に学ばせるには、少人数教育が望ましい。教員の授業時間を一定とすれば、大講義室で行う一方的な授業はネット授業(VOD型フルeラーニング)で行えば、少人数のゼミ形式の授業の機会を増やすことができる。対面授業にICTを活用すると、予習・復習等の学修履歴や進捗状況を把握でき、24時間双方向に向き合うことができる。ネット授業は、何度も繰り返し聴講できるので、知識獲得に適している。訓練されたメンターが支援することにより、学修の質を向上させることができる(エビデンス 1~3)。
 LMS(Learning Management System)を利用すると、教員に極度の負担をかけずに、予習・復習時間や内容等を把握することが可能になる。PC演習室で授業を行うと、一人1台ずつパソコンが確保でき、学生は授業中にもLMSを使うことができるので、双方向の能動的な授業、すなわち高度なアクティブラーニングが実施できる(エビデンス4、5、6)。可能であれば、職員やTA(Teaching Assistant)等の学生の支援の元に実施することにしている。学生に毎週の学修時間を意識させるために、毎回の授業前と後にアンケートを行う。授業前には予習・復習した時間や内容などを、授業後には簡単な演習課題、本日のキーワード、及び理解度等を書かせる(エビデンス7)。また、自分の存在を深く考えさせる試みも行う。例えば、「プロデューサ原論」では、数名のプロデューサ(映画監督、社長、教育関係等)の経験を聞かせ、人生観や職業観を考えさせる工夫を行う。講義の後半では、大学生活における計画や将来の仕事を考えさせる。パワーポイントにまとめて、分かりやすくプレゼンすることを重要視する。時間的には限られるが「自分の考えをまとめる」「他人に話す」「他人の話を聞く」「意見をまとめてレポートを書く」ことを繰り返すことにより、社会人に必要なジェネリックスキルを習得させる。これらのデータはLMSに保存される(エビデンス 7)。この科目ごとのLMSデータをどのようにeポートフォリオに活かせるかを大きな教育研究課題としている。


【エビデンス】
1. 大学eラーニングの経営戦略 ~成功の条件, 吉田文, 田口真奈美, 中原淳編著, 東京電機大学出版局, 95-128, (2005-3).
2. 「現代的教育ニーズ取組支援プログラム『ネット授業の展開』: http://net.pd.saga-u.ac.jp/gp/
3. eラーニングスタジオの活動記録(2002~2012年度):http://net.pd.saga-u.ac.jp/e-learning/activity/activity.html
4. デジタル表現技術者養成プログラム:http://net.pd.saga-u.ac.jp/digi-pre/
5. 穗屋下 茂: 工学教育の改善に果たすeラーニングの役割, コンピューター&エデュケーション, CIEC, Vol.17 (2004-11). 96-99.
6. 五十嵐 勉, 大元 誠, 長 安六, 尾野喜孝, 染谷 孝, 穗屋下 茂, 堀元 栄, 村山詩帆: 大学教育と地域創成~佐賀大学の教育実践~, 佐賀大学地域創成型学生参画教育プログラム推進委員会編, (2008-3).
7. 佐賀大学eラーニング(科目履修用サイト):http://netwalkers.pd.saga-u.ac.jp/elearning.html

今後の目標


エビデンス


参考資料

参考URL

標準版TP

シラバス