佐賀大学 ティーチング・ポートフォリオ

氏名
寺東 宏明

教育の責任

大学は高等教育機関として教養教育と専門教育の二つの社会的責務を負っています。私は大学教員として、自分の専門をベースその二つの責務を果たすべく活動しています。私の研究テーマは環境中に存在する傷害因子による生体障害機構を、遺伝物質であるDNAの損傷から解明しようとするものです。この具体的な研究テーマから、「環境」、「生命」、「健康」、「医療」といった分野における教育が可能です。また、私は専門的資格等として、「第一種放射線取扱主任者」、「第一種衛生管理者」、「衛生工学衛生管理者」、「第一種作業環境測定士(放射線)」、「環境カウンセラー」などを取得しています。これらの資格を活かして、大学運営ならびに社会貢献に係わっています。これら研究(基礎知識)と資格(応用技術)をベースに、高度な教養的知識を備え、かつ自身の専門的知識ならびに技術を併せ持つ社会人を送り出すことが私の責任であると考えます。

教育の理念

私の教育の理念は、2つの「じっせん」に基づいたものです。すなわち、私は「実践的な教育」による「実戦的な教育」を行うべきであると考えます。社会は今、大学に対し、即戦力(実戦的能力)を備えた社会人を養成することを求めています。つまり、卒業生には、具体的なスキル(技術)とそれを使うことのできる賢さ(知識)をもつことが求められています。社会の様々な場面で実際に使え、また応用発展できる知識と技術を伝達することが、私が目指す教育であり、そのために、講義、演習、実習など、様々な場面で実践的な教育を行っています。そのためには、私自身が、常に最新の科学的知識を獲得し、その最先端で科学者として活動しなければなりません。また、前述したように、関連する専門的資格も取得し続けています。それらを学生の皆さんに還元するための教育的技術も工夫し続けています。このように、自身の教育のために、私は常に努力を惜しみません。学生の皆さんもそれに負けないつもりで知識と技術の習得にあたってください。

教育の方法

私の教育の方法は、実践的な場面で知識と技術を同時に習得することにより、実戦的な能力を養成することを目的にしています。その具体的な教育方法は以下の通りです。
1)講義では、知識の習得が主目的であるため座学が中心となるが、関連する演習、実習を組み入れて、その知識がどういう場面で使うことができるのかを理解できるようにしています。
2)演習、実習では実験の理論を理解するための講義を必ずその前後で設定し、その技術がどのような知識と関連するのかを理解できるようにしています。また、グループでの考察、結果の発表の機会を組み入れ、プレゼンテーションスキルも習得してもらいます。
3)講義、演習、実習で使った資料等はeラーニングサイトで必ず公開し、受講生の予習、復習へのサポートを行っています。
4)医学研究科修士課程、同博士課程の研究教育を担当しています。研究教育では言われたことをやるだけの存在ではなく、主体的に考え、自身で計画を立てて研究を遂行することができる研究者、技術者を育てるため、積極的な学会参加と学外組織との共同研究に加わって頂きます。

今後の目標

 短期目標としては、これまでに述べてきた自身の理想とする講義手法を、全ての担当講義に広げることにより、各講義を受講した個々の学生たちにマッチングした学習環境を提供し、多様性のある学生たちがそれぞれの目標に向かって向上できるようにしたいと考えています。また、すべての講義において、授業評価のフィードバックを迅速化し、すぐ直近の講義に反映し、改善速度を上げることを目指したいと思います。例えば、毎回の小テストに授業の感想を書かせる項目を追加したり、eラーニングアンケートを利用することなどです。
 また、私の教育に対する最終的な目標は、それぞれ多様な資質をもった学生たちが、それぞれにマッチングした教育内容や学習環境を選択でき、個々の学生がそれぞれの目標に向かって向上することができるような大学教育環境を構築することです。前述した短期目標を実現していく中で学部内、大学内、さらには地域を始めとした学外社会を巻き込んでそのような教育環境の実現に貢献したいと考えています。それは単に大学教育だけでなく、子どもや成人も含めた社会の中での知識の伝播の一翼となれればとの思いからです。

エビデンス

1)環境キャリア教育プログラム担当教員
2)すべての担当講義でeラーニングサイト開設(実施中)
3)佐賀環境フォーラムシックスクール班員
4)教育に活用できる資格等:第一種放射線取扱主任者、第一種衛生管理者、衛生工学衛生管理者、第一種作業環境測定士(放射線)、環境カウンセラー 等
5)教育に活用できる共同研究等:放射線医学総合研究所重粒子がん治療施設共同利用研究員、京都大学原子炉実験所共同利用研究員、広島大学原爆放射線医科学研究所共同利用研究員 等