佐賀大学 ティーチング・ポートフォリオ

氏名
甲斐 敬太

教育の責任

私は佐賀大学医学部付属病院病理部・病理診断科に所属する医師で、専門は病理診断である。2009年に病因病態科学の教員に就任して以来、医学部3年生が対象となっている病理学、および医学部3.4年生が対象となっているPBL科目の講義・実習を幅広く担当してきた。2013年に附属病院病理部・病理診断科に異動となってからは、それまで担当してきた病理学の講義実習に加えて5,6年生の病理部の病棟実習も担当している。看護科1年生の病理学の講義も2009年より継続的に担当している。また、卒後教育として、大学院生の指導を2013年より担当し、病理専門医の研修指導を2016年より行っている。また、初期臨床研修の指導も2013年より担当している。

教育の理念

【学部教育における教育理念と目的】
学部教育を通じての私の教育理念と目的は、継続的に学習意欲を維持しつつ、学習・実習機会を有効に活用すること、そしてその結果として医師国家試験に十分な学力を有し、卒後の臨床研修に十分な臨床能力を有する医学生を育成することである。
【卒後教育における教育理念と目的】
卒後教育においての私の教育理念と目的は「良き病理医/臨床医の育成」、「良き研究者の育成」である。これらは短期的な教育目的というよりは、生涯をかけて追い求める、長期的な教育目的と言える。特に「良き病理医の育成」は、診療の礎となる病理診断業務を担っている立場上、卒後教育の中でも職責の重い教育目的である。

教育の方法

【学部教育】
・病理学/PBL 講義:ゴールを見せる講義を意識
・病理学/PBL実習:疾患と病理所見の解説(講義)、病理標本(デジタルスライド)を用いて形態観察、レポート作成・提出
・病棟実習:効率的な実習カリキュラムの作成、「病理診断の実際を知り、それに必要な知識を習得する」「標本作製過程や正しい検体提出法、および臨床検査技師の業務内容等を知り、今後に役立てる」を基幹的な学習目標
【学部教育における教育の工夫】
1. ゴールをみせる、2. 単なる暗記とならないよう配慮する、3. 簡単に答えを教えない(アハ!体験を促す)、4. 標本・症例に触れる機会を増やす、5. 自らが登るべき階段とその距離を自覚させる、6. 完璧を求めない

【卒後教育】
・病理専攻医研修/初期臨床研修: 自身が信頼される病理診断を継続的に行う、自己研鑽を惜しまない、指導はside by sideのコーチングで行う、研修会・学術集会への参加、報告の推奨
・大学院教育: 綿密な研究計画の立案、研究・実験手法・論文作成に関してもside by sideの指導を行う
【卒後教育における具体的な工夫】
1. 「妥協しない姿勢」を示す、2. 助け舟を出すタイミングを推し量る、3. ワークライフバランスに留意する、4. 100点満点を求めるより、「落第点を取らないこと」を目指す (病理診断にのみ該当)

今後の目標

短期目標
【学部教育】「国試合格」「医学を学ぶモチベーションを卒後も持たせ続ける」
【卒後教育】「臨床研修プログラム完遂」「病理専門医の取得」「学位取得」
長期目標
「良き病理医/臨床医」「良き研究者」そして「良き教育者」の育成

エビデンス

・担当講義・実習一覧表
・講義スライド、レポート課題
・病棟実習ローテート表
・病棟実習カリキュラム
・学位取得者の学位論文
・学生授業評価
・病棟実習アンケート
・育成した病理専門医の数

参考資料

参考URL

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