教育の責任
理工概論
大学入門科目Ⅱ
都市工学特別演習
都市計画
計画システム分析
都市解析演習
都市環境基盤特別講義(社会基盤プロジェクト演習)
卒業研究
Urban System Management(都市システム管学特論)
国際都市・環境特別演習
都市工学通論
都市構成システム論
都市システム管理学特論
文献調査研究
Urban Development and Urban Systems
コース共通特別講義(建設技術総合演習)
都市基盤工学特別研究Ⅰ
都市基盤工学特別研究Ⅱ
建築環境デザイン特別研究Ⅰ
建築環境デザイン特別研究Ⅱ
Advanced Study in Civil Engineering II
Advanced Study in Civil Engineering I
Advanced Study in Architecture and Environment I
Advanced Study in Architecture and Environment II
教育の理念
私の教育の理念は、「社会に出た時に戦える専門的技術を持った技術者の育成」である。
理工学部理工学科都市工学部門(都市基盤工学コース、建築環境デザインコース)の主な就職先としては、公務員、建設コンサルタント、ゼネコン,建築設計事務所,建築設備,住宅メーカーなどが挙げられるが、土木・建築分野の専門領域は非常に広く、また細分化されている。そうした中で私は、都市計画に携わる技術者を育成したいと考えている。その中でも特に「①都市空間分析や統計分析等の科学的な分析手法を高度に扱える人材を育成すること」、「②多角的な視点から定量的に自分の意見を表現・説明できるような人材を育成すること」が重要であると考えている。
教育の方法
① 「都市空間分析や統計分析等の科学的な分析手法を高度に扱える人材を育成すること」に対する教育の方法
まず、都市空間分析を習得させるために「都市解析演習」において地理情報システム(GIS: Geographic Information System)の基本的な概念と活用事例について講義している。そのうえで、具体的な解析手法を教授しながら実際に身近な都市や自分の興味のある都市について分析する課題を与えている。また、「都市工学ユニット演習」においては、基本的な多変量解析の手法について教授したうえで、都市空間分析の結果を用いて多変量解析により分析する手法を教授し、身近な都市や自分の興味のある都市について分析する課題を与えている。「都市解析演習」と「都市工学ユニット演習」を受講することで、土木・建築分野における基本的な都市解析手法および統計分析手法を身に着けることができる。また、卒業論文、修士論文では必ず地理情報システムを用いた分析と統計解析を行うことを義務付けており、テーマに応じてさらに応用的な解析が必要となるため、卒業論文、修士論文が完成するころには高度な都市空間分析と統計解析を行うことが可能な人材となるようにしている。
また、地理情報システムに関しては「都市解析演習」ではフリーのソフト(QGIS)を使用することで、各自のパソコンにインストールすることができ、授業時間外でも個人で練習したり宿題で使えるようにしたりしている。また、「都市工学ユニット演習」では、さらに高度な都市解析が行えるようシェアソフト(ArcGIS)を用意して演習を行っている。ArcGISは都市計画業務で使用するソフトとしては最もシェアが高く、社会に出て即戦力として都市空間解析を行える技術者として活躍できるように育成している。また、卒業論文、修士論文に関しては、フリーソフトはもちろん、シェアソフトの地理情報システムおよび統計ソフトを一人一人使用できる環境を整えることで、都市空間解析や統計解析を自由な時間で行えるようにしている。
②「多角的な視点から物事を捉え定量的に自分の意見を表現・説明できるような人材を育成すること」に対する教育の方法
「都市計画」では、第1回から第12回までは座学であり都市計画制度の基本的内容について講義している。その中で用いる配布資料において、特に地域(佐賀市)の事例(例えば土地区画整理事業の場合:兵庫北土地区画整理事業、市街地再開発事業の場合:エスプラッツなど)を引用することで実際に都市計画制度によって実現される市街地のイメージがどのようなものかの理解が進むように努めている。その際に、各ステークホルダー(行政、市民、地権者、企業など)の意向から最終的になぜそのような計画になったかを解説することにより、多角的視点から物事を捉える必要性と合意形成の重要性及びその難しさを伝えるようにしている。また、最後の3回の講義をグループワークにし、5~6名にグループ分けしたうえで、まずKJ法により佐賀市の市街地における問題点を整理させる。さらにその問題が具体的にどこで生じているのかを地図上に整理させたうえで、その場所にとってどのような都市計画的な改善案が適応可能かを検討させている。最終的にはグループとしてレポートを提出させるため、問題点の抽出から改善案の作成までグループ内でのディスカッションと合意形成が必要となるようにしている。
また、卒業論文、修士論文では研究テーマをゼミの中で指導教員および他の学生とディスカッションしながら自分自身で決めさせるようにしている。この狙いとしては、一意の解のない都市計画という分野の研究において、指導教員の狭い見識の中で与えられたテーマで研究するよりも学生の自由な発想を最大限活かしたほうがより興味深い研究テーマを設定することができると考えているためである。しかしながらどのようなテーマでもよいというわけではなく、学術的にそのテーマに取り組む意義があるかを文献レビューから導き出し、ゼミにおいて理論的に説明できなければならないようにしている。また、研究テーマが決まれば、学部、修士の学生をテーマの近い学生同士でグループゼミを構成し、指導教員からの指導・助言はもちろんであるが、学生間でも普段からより活発に研究内容について教えあい議論しあえるようにしている。
さらに、学会発表(土木学会西部支部、日本建築学会九州支部など)や査読付き論文(日本都市計画学会、日本建築学会など)への投稿を促すことにより、研究室内部だけでなく学外の研究者・技術者とも研究テーマについて多角的に議論を深める機会を可能な限り確保できるようにしている。
今後の目標
短期目標
担当科目については授業評価アンケートの回答者が余り多くないため、学生からの授業評価が十分には把握できない。まずは授業評価アンケートに回答してもらえるようにする。その上で、講義内容の改善を図っていきたい。
また、研究室に配属された学生については、全員が学会発表できているわけではないので、学部生については支部レベルの発表会で必ず1度は全員が発表できるようにしたい。修士の学生については、修士で1回は査読付き論文に全員が投稿できるようにしたい。
長期目標
現在、担当する講義においては全て自作の配布資料で行っているが、あまりよい教科書が見当たらないため「都市計画」と「都市解析」,「統計分析」が体系的に勉強できる教科書を執筆したい。また、国内外の企業・大学等と連携し、より実践的な講義や演習を行える体制を構築したい。
エビデンス