佐賀大学 ティーチング・ポートフォリオ

氏名
大林 将呉

教育の責任

算数科教育法、数学科教育法Ⅰ、数学科教育法Ⅳ、教職実践フィールド演習Ⅱ、教職実践フィールド演習Ⅲ、小中連携教育学、教職実践演習

教育の理念

経済の破綻、インターネットの普及、AIの進化などによる社会の激変によって,教え・授けられ蓄積された知識は、人生の中でもはや何の役にも立たなくなっている。我々は今後、めまぐるしく変化する社会に対応しながらライフスタイルを柔軟に変えて生きていかなければならず、そのような現代において充実した人生を送るために必要となるのは,自分を絶えず変化させ続けようとする力である。
そのような状況の中、私が教育活動を行うに当たって大切にしていることは、「自律」「協働」「創造」の3点である。「自律」とは、自分の行動は自分で選択し、その行動に責任をもつことである。誰かにしてもらったり、誰かの意見に流されたりすることなく、信念をもって行動し、自分の道を切り拓く力を育成したいと考えている。「協働」とは、他者と協力して物事を成し遂げたり、問題を解決したりすることである。どんなに頑張っても1人ができることには限界がある。また、孤独によって不安になったり、パフォーマンスの質が下がったりする。他者と協力することで自分一人では為し得ないことを達成したり、不安な時や困ったときに助け合ったりすることができるように、コミュニケーション能力を育成したいと考えている。「創造」とは、新たなものを欲し、創り出すことである。変化の激しい現代社会においては、既成概念にとらわれていたり、前例踏襲を続けたりしていても充実した人生を送ることはできない。新たなものを創り出したり、新たな自分に変えていったりすることの必要性を自覚させ、挑戦させていきたい。

教育の方法

自らの教育理念を達成するために、以下の4つの方法を採っている。
⑴ 自己選択・自己決定の機会を与える
 講義形式の授業においては、授業者からの一方的な発信・提示による知識の注入になりがちで、学生が自分で考えて行動することに繋がりにくい。そこで、授業内に学生自ら選択して問題の解決を行う場を設定する。例えば、算数科教育法や数学科教育法においては、選択する対象として「調べ方」「問題場面」「教具」「発問」などがある。初めて教材研究し、授業づくりをする学生達にとっては、どのような選択肢があるのか分からない状態であると考えられるので、具体例を提示し、イメージを持たせておいてから選択肢を示し、自己決定させていく。
⑵ 協働的な活動の機会を与える
 授業において、ペアやグループによる活動の機会を設定し、コミュニケーション能力の向上を図る。具体的には、教材研究、教具作成、指導案作成、模擬授業、授業反省会などにおいて、ペアやグループ活動を取り入れ、協働的に問題解決していく課程を経験させるとともに、その達成感を実感させる。
⑶ 開発の機会を与える
 授業を行うに当たって、教材研究は必須であるが、教材研究が教科書研究に留まってしまっている状況が散見される。教科書にある問題は質の高いモノが多く、参考にすることは効果的かつ公理鉄的であるが、既製の教材は一般的な子どもを対象にして設定してあるため、目の前の子どもたちにとって最適なものであるとは限らない。その時間における学習内容とその内容を習得するための方法を過不足無く含んだ教材を自ら「開発」することを経験することは、学生にとって教材研究の意義を理解することに繋がる。また、新たなものを創り出す経験は、創造性の育成にも繋がる。
⑷ アウトプットの機会を与える
 講義等によってインプットされた知識は、それらを活用する機会を経ることで使える知識となる。そのために、プレゼン発表や、模擬授業など得た知識をアウトプットする機会を設定し、学生の知識の質を向上させる。また、アウトプットの機会をシラバスなどの計画段階で学生に示しておくことによって、目的意識をもって講義に参加できるようにするとともに、双方向的な授業にする。
⑸ 振り返りの機会を作る
 プレゼンの発表や模擬授業などアウトプットした後は、レポート等によって振り返りの機会を与え、言語化することによって、アウトプットにおいて重要であった要素を自覚し、次の機会に生かすことができるようにする。発表したり、授業を行ったりする経験は大切なことだが、どのような要素が重要だったかが無自覚なままでは、次の機会の成功には繋がりにくい。言語かし、自覚することによって社会に出てからも生きて働く力を育成していくよう努める。

今後の目標

・数学教育に関する研修会に年間20回以上参加し、知見を広げる。
・教育実践フィールド演習において、数学科の先生方と連携して個に応じた授業を実施する。
・教育実践演習において、ペアの先生と協力して適切なアドバイスをする。
・授業のプレゼンを作り直し、より双方向的な授業になるように改善する。

エビデンス

⑴シラバス
⑵授業における学生のコメント
⑶同僚の教員からのコメント
⑷授業の板書写真
⑸授業のプレゼン資料
⑹授業の配付資料
⑺学生のレポート
⑻学生が作成したプレゼン資料